論語 為政第二


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2005年05月19日(Thu)
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論語 為政第二

『子曰く、学んで思わざれば則ち(すなわち)罔し(くらし)。思うて学ばざれば則ち殆う(まどう)。』
桑原武夫『論語』より

桑原武夫という人は京都大学の名誉教授で現在はすでに逝去なされている。
くわしくは
京都名誉市民 桑原武夫氏: http://www.city.kyoto.jp/sogo/hisyo/honor_32.html
を参照のこと。
先ほど挙げたサイトを見てもらえばすぐに分かるが、おそろしいほどの経歴の持ち主。
日本仏文学界の偉人さんだ。

そんな桑原武夫氏が、なぜか中国文学の論語を読み解いたのがちくま文庫の『論語』である。
あとがきによれば、筑摩書房の『中国詩文選』の一冊として書かれたものらしいが、筑摩文庫もずいぶんと冒険的なことをしたものだと思う。

この論語の面白いところは中日英仏etc.の言葉・文献をためらいなくバリバリ引用するところにあり、さらに、多数の文献を引用しながら自らの思想を書き表していく桑原武夫氏のテクニカルな解釈にある。
この「学而不思則罔 思而不学則殆」にも『古人の模倣を通過しない秀れた新しさなるものはありえない、といったのはたしかアナトール・フランスだった』とくる。
また、文章力も並ではない。
論語にまったく興味がわかず、初めて手にしたのがこのちくま文庫の『論語』だった自分が、著者の文章の巧さにやられて何晏や仁斎の論語にも手を出したくなってしまったほどである。


「学」とは教えによって、習い知ること。
「思」とは自分自身が思索すること。
学ぶばかりで自分の精神を悩ませて考えることをしないと、受動的に知識が増えるのみで、能動的に整理されることがなくなり、目的がボケて(あるいはそもそも無くて)ロクな学問にならない。
思索にふけってばかりで学びを怠っては、独善的で不安定な妄想に終わってしまう恐れがある。
というような意味だ、と著者は読んでいる。

まずは自分自身への戒めとして。
つづいて、思も学もどちらかに極端な知人・友人が多いので、彼らに向けてひっそりと。